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フリーランス・独立

ランサーズ主催 Lancer of the Year 2017 受賞!

投稿日:2017年4月21日

Lancer of the year 2017

ランサーズ株式会社主催のLancer of the Year 2017にノミネートを受けたことをこのブログでもご紹介しましたが、なんと約100万人のランサーの中から次世代のロールモデルとして5名の受賞者の1人に「クライアント賞」として選ばれました。
受賞までの道のりと当日の感想を記事としてまとめたいと思います。

「新しい働き方」を体現するフリーランスを表彰するLancer of the Year

「Lancer of the Year」(以下 LOY2017)とは、日本最大級のクラウドソーシングサービスを運営するランサーズ株式会社主催の、次世代ワークスタイルのロールモデルとなる個人のフリーランスを表彰するイベントです。昨年までの受賞者の方や、フリーランスとして活躍されている大勢の方が集まり、熱気に溢れていました。
他の受賞者の方とも沢山お話させていただいたのですが、正直、この5名の中に自分が居ていいのか?と思うほど、それぞれの分野で目覚ましい活躍をされている方ばかりでした。

独立前後の働き方と受賞までの道のり

私にとっての「働く理由」

過去の私は、到底このような賞をいただけるようなクリエイターではありませんでした。美術大学卒業後、「働く」ということが、いまいち理解できずにいました。もちろん、働かなければ飯を食っていけないので、働くことは当たり前なのですが、(当時21歳だったので)死ぬまで40年以上も働くわけです。どうせ40年以上も働くなら、ブレない芯をもって働きたい!と願ったのですが、大学で熱中していたのは染色です。染色の技法を用いて布に絵を描いていました。「関心」と「仕事」がなかなか結びつきませんでした。
結局、在学中に意思が固まらず卒業後も大学生活の延長のような制作活動を続けます。没頭して制作していましたが、この制作活動はたったの1円すら生み出すことはありませんでした。そして、家にこもりっぱなしで社会との結びつきがない生活に孤独を感じはじめました。せっかく専門性の高い技術をつけているのに人の役に立てない現状に疑問を抱き、この経験を通して初めて「人の役に立ちたい」と強く思うようになりました。
この想いが私にとっての「働く理由」です。

相変わらずもがき苦しむ会社員時代

絵作りの経験を商業デザインに活かそうと考え、方向転換。デザイン会社にグラフィックデザイナーとして就職しました。ところが、「人の役に立ちたい!」と誰よりも意気込んで入社したものの、思うようにいきません。この会社で学んだことは山ほどあるので大変感謝していますが、そもそも独立心が強かった私には、研修を繰り返して会社に貢献する人材を育てようとする教育が理解できませんでした。デザイナーとして技術が高い人よりも、例えば「会社のイメージ戦略のために新しい提案をする」などといった、会社を大きくすることに貢献する人材を評価する評価制度がありました。「貢献するのは会社でもあるが、まずクライアントではないのか」「クリエイターなんだからより良い物を作ることに注力すべきではないのか」と会社の方針と逆の考えが次から次へと湧いてきます。そんな考えを持つ人材は、蚊帳の外に置かれます。マイナスの発想を持つ人材として低く評価されたわけですが、技術的向上心は誰よりもあったと自負しています。直接クライアントに貢献できている実感、成長を保てている実感が持てなかったため、退社を決意しました。

一歩外に出て見えてきた新しい働き方

個人で仕事を受けはじめたことで、一気に視野が広がりました。
ここでは全てが自分次第です。順調に滑りだしましたが、全てがうまくいったわけではなく、技術が追いつかずに期待に応えられなかった仕事もあります。
足りない部分を補うために助言してくれる社長も上司もいませんから、全て自分でやるしかないわけです。この後に引けない状況が、会社員時代とは比べものにならない成長スピードに繋がりました。
足りない部分を補うためにはじめたことの一つ、クラウドソーシング「ランサーズ」。全国の沢山のデザイナーが在籍していて40歳以上のベテランデザイナーも大勢居ます。例えば、コンペ形式では50提案を上回るデザイン案から1案しか当選しません。ここで仕事を取れるのかどうか自分の力を試してみようと思いました。逆に、ここで仕事を取れないのなら、フリーランスとしてやっていけないのではないか、とも考えました。
結果的に2016年の1年間で100件ほどのデザイン納品に繋がり、この実績を評価していただき、LOY2017の受賞に繋がりました。捨てる神あれば拾う神ありですね。

クラウドソーシングは直接顔を合わさないやり取りであっても信頼関係を構築できる

Lancer of the year 2017

自分の力を試す、足りない部分を補う、という理由で初めたクラウドソーシング「ランサーズ」ですが、直接顔を合わさないやり取りであってもクライアント様としっかりと信頼関係を構築できるプラットフォームであるという認識に変わりました。
もちろん事前にお会いしてクライアント様を選べるわけではないので、なかなかコミュニケーションを取りづらいケースもあります。しかし、一つ聞かれたら十返していくような丁寧な対応を心掛けること、無機質なメッセージ機能だからこそ温度のある言葉使いを心がけること、必要であればメッセージ機能だけでなく電話するといった対応で、ほとんどのクライアント様の期待に応えることができると感じています。
今回いただいたのはクライアント賞ですが、私のスピーチの前に、販促物デザインを担当させていただいた3名のクライアント様からの喜びの声の映像が流れ、さらにクライアント様1名が登壇してお話いただくというサプライズがありました。

クリエイターにとって大切な考え方

フリーランスに限ったことではありませんが、クリエイターがクライアント様に貢献するためには何が必要でしょうか。当然、制作物の品質を上げること、うまくなることだと思います。うまくなるためには何が必要でしょうか。私は、仕事が「好き」という純粋な気持ちをキープすることが、うまくなるための何よりの近道だと考えます。好きでいられないのなら、好きで居続けるための工夫をする行為こそがクリエイティブだと感じます。そのためには、働き方自体を模索することも必要であり、それが可能な時代になっていると思います。そんな話をLOY2017でスピーチさせていただき、以下のサイトで取り上げていただいたのでよろしければご覧ください。

2016年にも労働問題のニュースが大きく取り沙汰されましたが、私自身も厳しい労働環境のあまり若い才能の芽を摘んでしまうような光景を目にしたことがあります。デザイン会社や代理店は信じられないくらいデザイナーを使い捨ての道具だと思ってる会社もあります。悩んでばかりの会社員時代から、仕事の「好き」を取り戻したクリエイターとして、同じような境遇の方を応援したいという気持ちが強くあり、仕事の「好き」について皆様の前でスピーチさせていただきました。

増え続けるフリーランスと今後

ランサーズ株式会社が実施した「フリーランス実態調査2017」によると、日本の広義の意味(副業、兼業を含む)でのフリーランスは2017年で推定1,122万人になるそうです。多様な働き方が広まるのは嬉しい反面、いい加減な仕事が増えてしまわないように、一人ひとりが覚悟を持って仕事に臨むべきだと考えます。悩んでばかりの会社員時代の話を取り上げましたが、苦しいから逃げだした結果が今だとは思っていません。会社員時代の経験があってこそ、独立してからの努力があってこそ今があるという認識です。さらに、今より1mmでもうまくなるために日々努力しています。
デザイナーを使い捨ての道具だと思っているような会社が淘汰される前に、流行りのフリーランスが淘汰されないように、私も改めて仕事のあり方を見つめなおしています。具体的には、納品したら終わりではなくて結果まで見届けて改善策もクライアント様に提案するような、しっかりと結果に繋がる販促物制作を目指したいと考えています。そこまでできるようになってから、本当の意味でのクライアント賞を改めて自分にあげたいと思います。

映像でコメントをいただいたクライアント様、登壇してくださったクライアント様、ありがとうございます!
そして、ランサーズのスタッフの方ありがとうございました!ランサーズのスタッフの皆さんの笑顔がとても素敵だったことが印象に残っています。ランサーズのますますのご発展をお祈り申し上げます。

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プロフィール

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フリーランスデザイナー・イラストレーター春田雄一朗。"販促のもやもやをワクワクに"をモットーにロゴデザインを中心としたグラフィックデザイン全般の制作。Lancer of the Year 2017・クライアント賞受賞。
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